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2017/12/13 06:51 | Comments(-) | TrackBack(-) |
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僕の自慢のご主人様
僕はバストゥークに生まれたタルタル。
僕を作ってくれた人(=パパさん)が言うには、僕は「そうこきゃら」なんだって。
よくわかんないんだけど、パパさんは僕に色んな荷物を預けたんだ。
でも、パパさんは悩んでいたんだよ。
本当は「ウィンダスにしたかったんだ」って。
その方がパパさんが必要なお買い物がしやすいらしいんだ。

僕・・・消えちゃう?
パパさんのお役に立てないままおしまい?


僕が生まれた経緯はよく分からないけれど、
僕が消えてしまうことはパパさんの手にかかっている事くらいは分かってた。

でも、パパさんは頭を横に振ってこう言ってくれたんだ。
「せっかく生まれてきたんだから、このままでいいよ」って。
僕は最近合成にはまっているパパさんの為にクリスタルを預かったり、
時には自分の手でクリスタルを集めに行ってたんだ。
僕を残しておいてくれてよかったって思えるように。頑張ったんだ。

でも、パパさんはやっぱりウィンダスに「そうこきゃら」が欲しかったんだって。
で、突然言われたんだ。
「おい、ウィンダスまで旅してみるかー」って。
初めての長旅!嬉しい!タルタルの故郷ウィンダス。
一度見てみたかった。

でも・・・僕はまだレベル4で・・・その長旅には耐えられそうになかったんだ。
「大丈夫!友達にタルの護衛を頼むから!」

そう言ってパパさんはレアさんという人にメッセージを送っていた。
レアさんは快く僕の護衛をOKしてくれて、すぐにそっちに向かうという事だった。

「あんまり駄々こねて、レアさんを怒らせるなよー。タルなんか一撃だぞ?」

レアさんって人は女の子らしいけど・・・一撃って、恐い人なのかな・・・。

どんな人?

僕、ミスラさんとなら仲良くなれる自信があるんだけど・・・。

パパさんは僕にバストゥークから外に出る様に促した。
途中で外国人の人に声をかけられた。
うひゃ〜僕、英語わかんないよ!
でも、パパさんはスラスラと答えていた。
「I can't speak English.」って。さすが僕の自慢のパパさん!

すると、
「どこに行くの?」って聞かれたみたい。
「ウィンダスに行くんだよ」とパパさん。
その外国人さんが僕を見つめる。なんだかくすぐったい気分。
初期装備しかもってなかったから、もっとオシャレすればよかったって
こんな時思うんだよね。
ウィンダスに行くと答えられた外国人さんは、そのパパさんの決断にちょっとびっくりしたみたい。
そりゃそうだよね。僕もびっくりだもん。

でも、パパさんは慎重に慎重に僕を北グスタの地へと連れて行った。
初めて見る滝。嬉しくって嬉しくってはしゃいでいたら、
パパさんはそこで立ち止まってくれたんだ。
さらにその先のコンシュタットに来て驚いたのは、沢山の緑と風車。
おっきな白い遺跡も見えたよ。すごいすごい。

コンシュタットを走り抜けて行く。
「まぶしい!」真っ白な光景に僕の目はびっくりした。
どうやら砂丘に着いたみたい。

パパさんは僕を器用にゴブから遠ざけてくれた。
肝心の僕はドキドキしていたけれど、
でもパパさんの事を信頼していたから言うとおりに動いた。
だけど、途中の洞窟では歩くだけ襲ってくるコウモリがいるらしくて、
どうにもならなくて、しばらく冒険者の人が通るのを待っていたんだ。

カチャカチャと鎧の擦れる音がする。
やって来たのはおっきなナイトさんだった。
尻尾はないし、スリムだからエルヴァーンの人だ。
最初は僕の脇をそのまますり抜けて行ったんだけれど、
くるっと引き返してコウモリを倒していってくれたんだ。

パパさんと僕は一緒にお礼を言って、その洞窟をすり抜けた。
あの鎧カッコよかったね。あんなの着たいなぁ。

セルビナに到着して船を待っていると、さっき声をかけてきた外国人の人もいた。
「え?本当に?」
パパさんは驚いているみたい。
今度はレアさんと話をはじめるパパさん。
「心強いね!こっちは問題ないから、ウィンダスで待ってるね。」
どうやら、僕の同行者はこの外国人さんに決まったみたいだった。

「ウィンダスまで着いてきてくれるんだって」とパパさんはそう教えてくれた。
言葉が分からない僕にはちんぷんかんぷんだったけれど。

パーティーに入ってきた外国人さんは長髪のヒュムの人だった。
ヒュムさんとなら言葉の隔たりなく、直接お話が出来る僕は挨拶をした。
「お前はこれまでどんなとこに行ったんだ?」
「僕、旅は初めてなんだ」
「なんだそれ。お前は冒険者だろう?」
「僕は・・・僕は"そうこきゃら"って言われてるけど何か違うの?」
「お前、倉庫キャラの意味も知らないのか?」

ヒュムさんは僕に「そうこきゃら」の事を教えてくれた。
僕は黙ってしまった。僕はこの世界を旅する事は許されないらしい。

いや、でも!

パパさんは僕をこうしてウィンダスへと連れて行ってくれている。
時々だけれど、バストゥークにいる時も僕の事を蜂狩りに連れ出してくれた。
「セイレーンの涙」っていうキラキラした宝石だって取りに行ったんだよ?
バストゥークの商業区には、タルタル専用の大工房への入り口がある話とか。
一生懸命、僕は自分なりの冒険談をヒュムさんに説明した。

タルタル専用大工房出入口

その後は船の中で特に何かを話す事もなかったけれど、
いつまでも船倉にいるものだから、僕は「外に出たい」って星にお願いしたんだ。
すると、パパさんは思い立った様に僕を外に出してくれた。
少し柵がジャマで景色が見えづらかったけれど、海の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。
バストゥークでは港から見える海しか知らなかったんだ・・・。僕。
これが冒険っていうのかなぁ。

途中でパパさんがじっと大きな木を見つめていた。
「あれが星の大樹だよ」って教えてくれたんだ。
僕にはそれがなんだかとても懐かしいものに思えた。

マウラに着くとそのヒュムさんがまた僕に話しかけてきたんだ。
「オレ、ココに来るの初めてなんだよ」
「僕も初めてだよー!一緒に冒険だね。」
「そうだな」ヒュムさんが笑った。
そして、パパさん同士も話していた。
「マウラに来るのは初めてなんだ」
「え!?本当に?」
どうやら僕のパパさんの方が冒険の経験ではレベルが高かったみたい。

「実はウィンダスに行くのも初めてなんだよ」
「ええ!?」

パパさんは、僕の護衛をしてもらう代わりに道案内に利用されてるみたいだった。
でも、パパさん同士は会話は少ないまでも寄り添いながら
僕を少しずつウィンダスへと運んでいっていた。

僕はヒュムさんに聞いた。
「君はレベルいくつなの?」
「ん?オレは20だよ。だから絡まれたらオレも安全じゃない」
「えー」
僕はこの事を一生懸命パパさんに伝えようとしたけれど、
パパさんは気にも留めてなかった。
きっとパパさんは、とっくにこの外国人さんが僕を守りきれる程のレベルじゃない
ってこと位は、見抜いていたのかなーって思う。

おっきなキリンの足元をすり抜けながらブブリムを抜けてタロンギへ。
ここの色はバストゥークの色を思い出させてくれた。
あの鉱山区にいたガルカさんに挨拶するの忘れちゃった・・・。
長旅で高ぶっていた気持ちが少し寂しい気持ちになっちゃった。

だけど、パパさん同士は
「護衛のつもりが道案内させて悪いね」
「いやいや問題ないよ。君が付き添ってくれてこっちも助かってる。」
こんな会話をしていて、一言二言だったけれど楽しそうだった。

タロンギの起伏のある細い道を抜けてとうとうサルタバルタにやって来た!
僕の耳がピクンとする。鼻がクンクンとその香りをかぐ。
僕の本能がここを「故郷が近い」って言ってるみたいだった。

まっすぐ走っていって、いきなり崖を飛び降りようとした時は僕は足がすくんだけれど、
そこを越えると、そろそろ僕にも倒せそうなモンスターがちらほら見え始めて、
自ずとウィンダスへ向かう足もスピードアップする。

ヒュムさんとそのパパさん。
僕とパパさん。

走って行ったその先に見えたのはウィンダスの門と、女の子だった。
その人はパパさんに向かって手を振って、外国人さんに向かってお辞儀をした。
この人がレアさんだった。・・・ミスラさんじゃなかった・・・。

「ようこそ!ウィンダスへ!」
レアさんはそう言ってにっこり笑うと僕達を中へと導いてくれた。

あと少しだ!

ヒュムさんと、そのパパさんとはここでお別れ。
お互いにお礼を言い合ったり、応援しあったりしていた。
ヒュムさんが「またどこかでな!」って、
最後に僕にちょっと目配せをしてみせた。

パパさんとレアさんは僕を「石の区」という所に連れて行ってくれた。
そこにあったのは、さっき船から見た「星の大樹」だった。
おっきくて、やさしくって、あたたかそうで。
バストゥークにはあまりいなかった僕の仲間も沢山いた。
僕はすぐにウィンダスが気に入ってしまったんだ。

「うーん、フレ登録お願いすればよかったかなぁ。いい人だったのに。」
パパさんはつぶやいた。
「今からでも遅くないと思うけど、きっとまたどこかで会えるよ。」
レアさんがそう言うと、パパさんは頷いてウィンダスの空を仰ぎ見た。
僕も一緒に見上げた。




よろしくね!ウィンダス!

ピンク色の鳥が三羽、空を飛んでいた。


「今日は疲れたなー。明日ゆっくり街をまわろうか。」
そう言ってパパさんは僕をレンタルハウスで眠りに付かせる。

明日はパパさんが移籍の手続きをしてくれるんだって。

今日からここが僕の居場所になる。


おやすみ・・・パパさん。

僕を消さないでくれてありがとう。


─ Fin.



このお話は、フレの経験が元になっています。
先日ランク4になったフレの倉庫キャラを、
バスからウィンに移動させたいという話から、
実際にその道中に出会った人達の設定等は極力そのままに
倉庫キャラの視点で物語にしてみました。

途中で出てくる付き添いの外国人の方に関しては、
フレは苦笑しながらも、「君だけじゃ危ないから」と付き添ってくれたその気持ちが
相当嬉しかったようでした。

当初はその倉庫キャラを消して、新たにウィンダスに作るつもりだったそのフレに、
倉庫キャラからの感謝の気持ちを込めたものにしてみました。
皆さんの倉庫キャラもこんな風に御主人様のお喋りを色々聞いてるかもしれませんね。

読んでいただきましてありがとうございました。
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2005/10/19 00:00 | Comments(0) | TrackBack(0) | [FFXI]-ショートストーリー
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