私にはイギリス人のフレがいます。
今日はそのフレから少し前に頼まれた事がありました。
「うちの妹がFFを始めるから手伝ってあげてくれないか?」という事。
自分で手伝ってあげればいいのになと思いつつも、
一体どういうことなのか詳しく聞いてみると、以前、フレと私が遊んだ時に、
私が「ル・パピヨン」を使った事があり、そのSSを妹さんに見せたのだそうです。
パァッと広がった蝶の羽を見て、彼女は「まるで妖精みたいね!」と言ったとか。
そこで、茶目っ気のある私のフレは
「妖精なんだよ。FFをやっていてもめったに会えないNPCなんだ。
珍しいからSSを撮った」と説明したのだそうです。
それを聞いた彼女は「実際にみてみたい!」と大はしゃぎ。
その後もあまりにしつこく言うものだから、
彼は妹さんの誕生日にFFをプレゼントして、とうとうログインという日を迎えたと言うのです。
最初それを聞いた時、はっきり言って笑ってしまいました。
フレの要望は、ただ手伝うのではなく、
「妖精のささやき(=天の声)」をして欲しいという事。
さてさて、これは責任重大なことになってしまいましたよー。
一番の問題は言葉でしたが、これは勢いでなんとかするしかないと覚悟を決めます。
一通りの準備を済ませ、彼女がログインしたという連絡を待ちます。
妹さんのキャラの名前を教えてもらった私は、
まずはそのキャラを確認しようと急いで探しにいきました。
競売前で名前の横に「?」をつけた彼女を発見。
おもむろに北サンドへ向かった彼女。
何をするのかと思いきや、彼女はNPCに向かって懸命にsayで話しているのです。
私は彼女に声をかける決心をしました。
私:こんにちは、ヴァナディールへようこそ<妹>さん!彼女が周囲をくるくると見回すのが分かります。
まだチャットの仕方もよく分からないようだったので、
一応「妖精になりきって」tellの方法を教えてあげました。
そして、NPCと一般PCとの違いもちゃんと教えてあげて・・・。
彼女:どうして私のことを知ってるの?私:それはあなたの側にいるからよそれっきり黙る彼女。あちゃ・・・失敗したかな。
そう思っていると、彼女から思わぬ返事が来ました。
彼女:すごい!神様みたい!うわ・・・一気に妖精からランクアップですか・・・?
少々戸惑いつつも、ひっそり彼女の様子を影から伺う私。
迷うかもなぁと思っていた最初の優待券を無事にクリア。
彼女もドキドキしているでしょうが、こっちもドキドキです。
私がタゲられない程度に距離を取りつつ彼女の位置を把握するのはなかなか難しく、
結局は私はモグハウスから彼女の位置をサーチで確認しつつ、
自分の記憶を頼りに会話を続けます。
彼女:何か色々頼まれたけどどうしたらいいのか分からない。どうやらいくつかクエストを受けたようです。
ただ、あいにく私にとってはクエストの内容の表現については、
少々分かりにくいものがあって、いずれ彼女が自分でクリア出来るだろうと思い、
まずは街のあちこちを見てまわるように言ったのです。
それにうってつけのクエストがあります。
バストゥークなら「スタンプラリー」
ウィンダスなら「帽子屋の宣伝」
そして、サンドリアなら「魔法屋のチラシ」が街の中を周るクエとしては最適です。
ちょうど彼女が港で飛空艇を見て喜んでいたところだったので、
彼女のジョブが黒魔道士だったのをいいことに、魔法屋をさり気なく案内。
私:お金は大事に使わないとダメよ。と、なんだかちっとも妖精らしからぬアドバイスをしつつ、
競売で買うよりもお店で買った方が安い事もあるからと案内。
無事にクエストが発生して、彼女は色んなNPCに話かけるのに夢中になっていました。
どうやら私の役目はそろそろ終わりのようです。
私:そろそろいいんじゃないかなフレ:そうだね。どうもありがとう。彼女がNPCに話しかけている間に、
道案内を名目に彼女に付き添っている(※彼女とはPTを組んでいない)フレと私がPTを組み、
チラシを渡すNPCから割と近い位置にスタンバイ。
私からの最後のサプライズをプレゼントしようと思ってました。
フレの位置を確認しつつ、近づいて来たところで私はプリズムパウダーで隠れました。
そしてタイミングを見計らって、私は「ル・パピヨン」を使い、
彼女の前に姿を現してみせたのです。
そして、彼女に「また会いましょうね」とだけ言ってデジョン!
これにはフレまで大喜び。
フレ:すごいよ<レア>!素晴らしい!私:ちょっと派手だったかなぁフレ:いや、妹は大喜びさ彼女はお兄さんに向かって「見た?見た?いたよね?」と繰り返したそうです。
妹:もう会えない?私:きっとすぐ会えますよ。どうぞよい旅を!そう言って、彼女とはお別れ。
フレにこの後どうするか聞いてみると、ちゃんとネタバレしてくれるそうでホッと一安心。
改めてフレとして紹介したいから北サンドで待っててと言われ、私は待つことにしました。
場所は北サンドリア。
フレと妹さんがやってきました。
挨拶をすませるとあの登場がとても素敵だったと喜んでくれていた事が分かりました。
私:英語が得意じゃないんだけど上手く伝わった?妹:あなたはまるで舞台俳優のようだったわよ!私:どうもありがとう妹:最後に消えていった時「パック」を思い出したわ!私:パック・・・?もしかしてシェイクスピアの? (パックとは「真夏の夜の夢」で登場する妖精ですね)
妹:そう!あの物語好きなの!妹:でも、あなたは一つミスしたわねあら、やっぱり英語間違っちゃったかなと思ったら、
妹:最後に出てきた時、あなたの名前は青だったわ!NPCじゃない!って思ったの。なかなか観察力のある妹さんです。
フレ:よく言うよ。お前あれを見た時、私の前にも妖精が出たって大喜びで僕の部屋に来たくせに。妹:だから、その後でよ!フレ:本当の事言ったら、ちょっとがっかりしてたくせに妹:だって〜〜〜私:あははははこれからも仲良くFFを楽しんで欲しいものです。
最後には彼女に少しだけれど持っていた「ル・パピヨン」をプレゼントしてお別れ。
大喜びで妖精になりきっていましたよ。
このくらいの嘘ならアルタナの神様も笑って許してくれる事でしょう。
とっても微笑ましくってかわいい兄弟のお話でした。
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